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ゲームとかアニメとか二次創作とかいろいろ。 ブログというか雑記。
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 降り積もった雪の絨毯は、思った以上に柔らかく、踏みしめるたびに小柄な彼女の身体が沈んでゆく。
 気持ちばかりがせいで、身体はちっとも前に進まない。仕方なく彼女は、轍を進むことにする。宵闇の帳が降りるまで踏みしめられた道は、わずかに融解し、雪を液体に変える。そこへ夜の冷気が翼を休めれば、瞬く間に凍結し、氷のタイルが敷き詰められるのだ。
 きゅきゅっと、氷を踏んだエニシアのブーツがかわいらしい声を上げた。おそるおそる、なるべく雪が多く残っている場所を選んで、さっきよりも慎重に、けれど出来る限りの早足で丘を降りてゆく。そう言えば、と彼女は思い出した。凍った道上で転んだ老婆が、足の骨を折ってしまったという事故を。
 寒さ以外の理由で青ざめた彼女の頬を、疾風のような轟きが駆け抜けてゆく。きゃ、と彼女は小さな悲鳴を上げた。林立する梢が同意するようなざわめきを漏らす。ざわざわ、ざわざわ、ざわ……。真っ暗闇の中で心を細くしていたエニシアは、不意に自分が世界にたったひとり取り残されたような錯覚を抱き、立ちすくんだ。
 何かに迫られて辺りを見回す。しかし、何もない。振り返れば暖かな談笑が溢れる〈忘れじの面影亭〉があるはずなのに、見えなくなってしまった。いつの間にか、だいぶ進んでいたのだった。
 もうココまで来たら……彼女は今一度、決意を新たにして、白亜の闇を進んでゆく。
 眼下には灯りを失ったトレイユの街が。


 んー、エニシアが意外な積極性で闇を乗り越えた(謎
 当初の予定では、やっぱやめようでお店に戻ったのだが・・・
 なんか続くのか続かないのかよく判らないな。心理描写とか増やした方がいいんだろうか。

 

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